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和尚の日記

マンガやゲーム、映画など自分が見たものの感想や紹介をしていきたいと思います。

嘘喰い:屋形越え編も始まったことだし、プロトポロス編について纏めていく_1、アイデアル編

週刊ヤングジャンプで連載中の『嘘喰い』(作:迫 稔雄)で、いよいよ最終決戦と言える『屋形越え』編がスタートした。

いきなり嘘喰い斑目 獏とお館様、切間 創一との化かし合いが始まったと思いきや、今週からは立会人たちによるバトルロワイヤルが開始された。暴パートがないまま屋形越えが始まる可能性も考えていたが、やはり暴パートなく進むはずがなかった。

そんなこんなであと一年も二年も掛かりそうな『屋形越え』編。どういう展開で進むのか分からないがそういう意味では気の長い戦いになるであろう。

「今まで嘘喰い読んだことないよ」という方でも、最終回までに追いつくことは十分に可能と言える。

 

というわけで、そんな嘘喰い未読の方々に向けて、嘘喰いの魅力を最近終了したばかりのプロトポロス編についてまとめながら紹介していきたいと思う。

勿論かなりネタバレを含んでいるので、既に興味がある方はそのまま読んでいただくことをお勧めする。正直最低三回くらいは読み返さないと話の内容が理解できないことだけは伝えておく。

それでは以下ネタバレとなります。

 

イデアルという組織

プロトポロス編紹介の第一回は、この章の敵役である、『イデアル』という組織について書いていく。

何故最初に主人公勢ではなく敵役から紹介するのか?

それはこの組織について理解すれば、このマンガがどれだけ破天荒なのか理解できると考えたからである。

 

このアイデアルとは、物語序盤から登場し、様々な場面で物語に絡んでくる組織である。このプロトポロス編はこのアイデアルのボス、ビンセント・ラロとの決着を着けるお話でもある。

 

ではこのアイデアルとはどのような組織なのか?

答えは至極簡単。

アメリカに拠点を置く、生粋のテログループである。

 

テログループといってもその規模は決して小さくない。組織のボスの片腕に当たる男はテロリストでありながらCIAの肩書を取得しており、資格の再検視覚の再建という高度な技術を提供可能であり、日本国内にミサイルやら何やらも密輸することができるという圧倒的な力を持つ組織である。

 

ちなみに言っておくが、このマンガはれっきとしたギャンブルマンガであり、主人公は一介のギャンブラーである。ただ話の中で超人たちが殺し殺されの戦闘をしてたりするだけである。

 

話を戻そう。そんな生粋のテログループの長ビンセント・ラロが主人公、斑目 獏とギャンブルするのは、人材の宝庫ともいえる裏賭博組織・賭郎をそっくりそのまま手に入れることができる『屋形越え』の挑戦権を手に入れるためだ。

 

そしてその勝負の舞台となったのが、オンラインゲーム『プロトポロス』の世界を現実で再現した島、プロトポロス島である。数多のゲーマーが蔓延るこの場所で、勝負の幕は静かに切って落とされ、そして島は騒乱に巻き込まれていくのであった。

 

ゲームの詳細などはここでは割愛するが、基本的に押さえておくべき点として、

  1. プレイヤーは基本的に何でもアリ
  2. 賭郎の人員である立会人の判断は絶対。
  3. プレイヤーは島の正確な場所について知らない。
  4. 島に入れるラロと獏の仲間は四人ずつ。定められた者以外が侵入したら、そのものは粛清・排除される。
  5. 島外部との連絡を取ってはいけない。立会人にバレたら連絡手段は即潰される
  6. ラロ限定。負けたら殺される

この何でもアリを、本当の意味で何でもアリとしたのがこのアイデアルなのである。

 

これぞテロリスト! 普通のギャンブルでは見られない戦法!

それではここで、このアイデアルが作中で取った戦略戦術について紹介していきたい。それに伴い独断と私見でその異常さをラロ度テロ度として評価する。

テロ度の順番に並べているため、時系列は殆ど無視して紹介しているのでご注意を。

 

 

1.外部と連絡を取る テロ度10%

上記で外部と連絡を取ってはいけないと書いてはいるが、何でもアリなのでラロがこの手段を持っていても立会人たちは咎めることが出来ない(そもそも咎めるつもりもない)。外部から侵入者を招いた場合のみ、その侵入者を排除するため立会人は動く。

テログループではないとしても、頼れる仲間が外部に居る場合なら誰でも連絡を取ろうとするのではないかと思うため、テロ度はかなり低め。

そもそもラロはお手製の天測器を使い、星座の位置から島の場所を割り出した。ここはラロの能力の高さを称賛すべきところだろう。

一応外部と連絡を取るため入島した仲間の一人を、審判役の立会人と殺し合わせたので、その分を加味してテロ度10%とした。

そしてこれが島で起こるほとんど惨劇の要因となった。

 

2.個人情報を突き止め脅す テロ度40%

このプロトポロス島には沢山のゲーマーが居るが、島内部では外部での個人情報を殆ど漏らすことはない。オンラインゲームと同じくハンドルネームを使うなどして、個人を特定されないようにしている。

そんななか外部と連絡を取り合っているラロさんは、配下となった人間の個人情報を突き止め、そのことを暗に仄めかして脅すという行動を取っている。日本でも普通に犯罪として使われている手段である。自分という人間が丸裸にされたような気分になるのだろう。されたことがないからわからんけど。

まあ完璧に犯罪ではあるけど、テロリストと言うと疑問符が付くので30%。そして脅した後に相手を殺害した点を加味してプラス10%。合計40%とした。

 

3.負けそうになったから立会人たちを殺そうとする テロ度80%

ここら辺からテロ度は急上昇していく。

暴力とは、我儘を通す力』。これは刃牙シリーズで、今は亡き烈海王の言葉であるが、ラロはまさにそれをしようとした。獏に嵌められて負けがほぼ確定したあとに彼が取った行動は、『審判役である立会人を皆殺しにしよう』であった。敗北=自分の死なので当たり前と言えば当たり前なのかもしれないが、それをあっさりと選択するぐらい、彼にとって暴力とは身近なものであった。烈海王の言葉は彼にこそ相応しいと言える。そのために外部から殺し専門の方々を招き入れたぐらいだ。

しかもルール上『何でもアリ』だから、命を狙われる立場にある立会人たちも『一向に構わん!』という烈海王精神を発揮しなければならないことを織り込み済み。

暴力で全てを解決しようとするこの姿勢は、まさにテロリストの鑑と言えるだろう。100%を与えてもいいと思っている。ただ崖っぷちに立った人間ならこのような卓袱台返しは、(規模はともかく)取りうる手段であるとも考えられるため、テロ度は80%とさせてもらった。

 

4.島の食料を買い占める テロ度80%

生きている以上腹は減る。人間だれであっても同じこと。当然生きた人間が居るプロトポロス島でも食料は必要になる。その食料を買い占めリアルに兵糧攻めを行ったのがラロさんである。

兵糧攻めなんて戦略ゲームなら当然の選択肢じゃん。俺でもするって―の。それで何でテロ度80%も付けてんの?バカカスなの?

と思う方々も居られるだろう。しかしこれはこの後紹介する二つの戦略を行う上で重要な戦略となる。それを加味してこれにテロ度80%という値を付けさせてもらった。

それではこの戦略を最大限に生かした二つの戦略を紹介する。

 

5.島外からの輸送船を爆破 テロ度100%

食料は島外からの輸送に頼っているプロトポロス島。ラロが食料を買い占めても、それが来る限り食料はそれほど高騰しない。そもそも兵糧攻めが成り立たない。

そこでラロは考えた。『だったらその船を爆破すればいいじゃない!

そう、その輸送船を外部の協力者を使って爆破するという、常人では選択肢にすら上らない戦略

追いつめられた状況にあれば、普通の人でも過激な行動を取ることは理解できる。

しかし彼はただ自然に、ゲーム攻略法の一環として船の爆破を選択したのだ。

勿論乗組員たちは全員死亡した。というか難破して漂流しかけている者たちにもラロの仲間がきっちりトドメを刺していた。

こうして食料の供給そのものを絶つ、完璧な兵糧攻めを完成させたのであった。

しかしラロの戦略はこれで終わりでない。次の戦略こそが、常人とは一線を画すテロリストの本領を発揮したものである。

 

6.食料に麻薬を塗ってばら撒く テロ度120%

完璧な兵糧攻めを行ったラロ。といっても実際に殺すわけではなく、食料の値段がピークを迎えた瞬間、溜めていたそれを高値で放出。大量のゲーム内通貨を手に入れたのである。

しかしブっ飛びテロリスト、ビンセント・ラロがその程度で終わらせるはずがなかった。

食料が高騰するということは、それだけ島の中が食料不足であるという事。ラロが食料を放出したことにより、島内のゲーマーほぼ全員がラロの手元にあった食料を口に運ぶととなる。

それを見抜いていたラロは、放出する食料に予め麻薬を塗っておくという、危険極まりない罠を仕込んでいたのだ。

 

当然、大多数の人間がそれを口にし、そしてラリッた。島内部は混乱に陥り、ラリッた人間たちにはその時の記憶がこびり付いて回ることとなった。

島を混乱に陥れた張本人であるラロは何食わぬ顔でゲームを進めていく。彼にとって特別なことではない。ただのそこに利があるから取った行動に過ぎないのだ。

良くも悪くも(?)この行動力はまさにテロリストに相応しいと言えるだろう。

 

このように通常のギャンブルとは一線を画す勝負を繰り広げるのが、この『嘘喰い』という作品なのだ。

 

イデアルの最期

そんな一般人と、また賭郎とすらも異なる、秩序なき隔絶した暴威を振るっていたアイデアルという組織であったが、それにも最期が訪れた。

ビンセント・ラロは嘘喰い斑目 獏との勝負に敗れ、命を落とした。

しかしそこに至る過程において、まさに強敵と言えるだけの力をまざまざと見せつけた。

嘘喰い』という作品では、主人公と戦う敵たちが順当に強くなっていく。さながらRPGのごとくだ。間違いなく現時点で最強の敵キャラと言えるだろう。

前回の勝負を超える勝負を続ける『嘘喰い』。最終決戦に位置する屋形越えではどんな凄い勝負が見られるのかが、今から楽しみだ。

 

 

次回は、嘘喰い勢について、もしくはプロトポロス編で行われたゲームについて紹介したいと思う。