和尚の日記

マンガやゲーム、映画など自分が見たものの感想や紹介をしていきたいと思います。

雑記:徹頭徹尾最強だった男キャラ_主人公じゃないからこそ良く映える

最強の男

マンガに出てくる最強キャラといえば、皆さんどのようなイメージをお持ちか?

 

aaieba.livedoor.biz

 

こちらのまとめでは最強キャラの立ち振る舞いと同時に、最強キャラの名前が挙げられている。

るろうに剣心』の主人公の師匠ポジ、比古清十郎。『進撃の巨人』のリヴァイ。主人公を食うほどの活躍を見せ、見事スピンオフの主人公にまで上り詰め、原作より有名になった男、『アカギ』の赤城しげる。

確かにこいつらは最強といえるだけの力を持っているだろう。だがその活躍や登場には疑問符が付く。たった一回しか戦わなかったり、中盤から登場したり、一回負けてたりする。理由を付けて戦わないなんてふてぇ輩も居るしな。

最強ってのは『最も強い』。ならば負けちゃあいけねぇ。そうだろう?何より最強なら、理由を付けずに戦いな。

途中から出てきたとしても、じゃあ今までの強キャラたちは何なのよ?ってなる。最強を求めるライバルキャラなんてのはそう良い例だ。『ユパだ! 殺して名を挙げろ!』という気概がないのか、探し物が下手なのかのどちらかだ。

 

途中出場した奴も、敗北した奴も、理由を付けて戦わない奴も、最強を名乗れる資格なし!

じゃあ『第一話から出てきて、一回も負けずに、理由を付けて戦わないなんてマネもせず、最強のまま最終話まで行ったキャラなんて居るのかよ?』なんて声が聞こえそうな気がします。

 

 

いるんだなそれが!(ドヤァ)

 

世界を股にかける海洋ファンタジー。その男は第一話から登場し、以降城の中、船の上、陸の上、海に浮かぶ都の上で剣を振るい、極めたその武芸は城攻め国盗りでおおいに発揮され、生殺与奪は彼の手の中。最後にゃオーパーツかつオーバーテクノロジーの結晶であるロボットすら切り伏せた、まさに最強の男。

 

それがトゥバン・サノオだぁ!

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出演作品『海皇紀

彼が出演している作品の名前は『海皇紀』。『修羅の門』などを描いた川原正敏が作者である。10年以上月刊マガジンで連載が続き、途中『修羅の門』で連載が中断されることもあったが、見事完結した作品である。全四十五巻。

主人公はファン・ガンマ・ビゼンという男。 成り行きで主人公がキャプテンを務める船に乗り込む。

ここからこの男の輝くしい戦歴が綴られていくのであった。

 

そもそもトゥバン・サノオとは?

徹頭徹尾最強キャラだということは既に話したが、彼は登場時既に卓越した名声を保有していた。

その武勇は国を跨いで響き渡り、知らぬ人などいない武人。実際海を漂流する海都という街のお偉いさんですら、彼のことを知っていたのだ。

人呼んで『伝説の兵法者』。生きながらにして伝説の男なのである。

大半のマンガの中では、この手の称号はこけおどしというか、時間経過するにつれて無実化していく。ようするに最強ではなくなるわけだ。

だが彼の武勇はとどまることを知らず、トゥバンの活躍を初めて見たファンは『伝説の方が大人しい』と評した。普通背びれ尾びれがついて誇張されてしかるべきなのがこの手の噂。しかし実物はその評価を軽々と超えるものであったのだ。

最強の位を確立した瞬間であり、そして誰にも譲ることはなかった位でもある。

 

トゥバン・サノオの目的

最強と言われた彼の目的は、ある存在を倒すこと。その名は森守。ちなみにこれがラスボスである。

彼が未だ少しばかり名の知れた兵法者であった頃、彼は聖域と言われる森の中に住む存在に会いに行った。その時の彼は殆ど太刀打ちできず、回避に徹することで命からがら生き残ることができた。トゥバンをそこまで追い込んだ相手、それが森守である。

ちなみに普通の兵法者なら、会った瞬間すぐに死ぬ。少なくとも森守なんてロボットに出会って生き残った人間は居なかった。森を囲う壁を溶かすようなビームを放つ存在である。普通は死ぬ。それが人間。むしろ死んでくれなきゃ困る。

そんなビームを連発されたにも関わらず、平然と生き残ったのがこのトゥバン・サノオという男だ。森守から生き残るという功績によって、その森を所有するオンタナという国の王と知見を持つことになる。

物語第一話ではこの国の王女と旅をしているのもこれが理由である。

何年経っても森守のことが忘れられない彼は、森守に通用する武器を探すことが旅の目的にある。

森守を斬ることの出来る武器を探しているのには理由がある。1つはそのまま森守にダメージを与えること。当てることができたが斬れなかったことを考えての事だ。普通は当てることなどできずに死ぬ

でも1つ目の理由はまだまともだ。問題は2つ目。自分の武力に普通の剣では耐えられないからという、戯けた理由だ。彼の身体能力や技量は一般ピーポーどころか達人たちすらを軽く凌ぐほどであり、普通の剣では戦っている最中に折れてしまうという珍事件が発生するのだ。武器が折れないように戦うため、戦力の制限を受けてしまう人間。それが彼なのだ。だからと言って弱くなったとは到底思えない程人間離れしているが

 

トゥバン・サノオのひととなり

最強キャラというかマップ兵器と言えるチートキャラな彼だが、その性格は極めて温和だ。主人公ファンからの度重なるオッサン呼ばわりでも彼は目くじらを立てることはなく、というか、確か作中で一回も怒ったことが無いはずである。他のキャラは大なり小なり怒りを覚えたりするが、彼は威圧することはあれど、怒りを露わにしたことはない。だからといって感情がないわけでもなく、よく微笑むし、仲間のことを思いやることができる人間だ。登場人物はかなり多い今作だが、恐らく作中一番人間が出来ている。覇王ルートを邁進する覇王の末裔というバカ(褒め言葉)や、自分がしたいことをするため一族のトップになろうとする怠け者(褒め言葉)などと比べるとよく分かる。いわゆる最強キャラに見られがちな人格破綻者の面は覗かせない。

しかし悲しいかな。やはり最強キャラなのだろう。彼は何よりも斬り合いや殺し合いが大好きなのだ。去る者というか逃げる者を追ったりはしないが、来るものは仲間の身内などの理由でもない限り、ほぼ殺す。強者との戦いが大好物であるが、弱者との戦い虐殺も楽しむ雑食性を持つ。まるでどこかの範馬勇次郎最強キャラみたいな性格である。自分より強いという男の噂があったら、王女の護衛任務など放り出してその男に会いに行くと公言している、まさに生粋のバトルジャンキーなのだ。

味方に居るとこれ以上ないぐらい頼もしい男でもあるが、ひとたび敵に回ったことを知るともう夜も眠れなくなるだろう。夜目が利かない程度では彼の剣を止めることはできないだろう。

 

トゥバン・サノオの戦歴

初登場後まず初めに彼がやらかすのは、他国の王城に乗り込むということである。

誤解を招く書き方であるのは知っているがこう表現させてもらう。

大陸を制覇する男である大馬鹿野郎(褒め言葉)、カザル・シェイ・ロンに付き添って敵国の王城に堂々と乗り込んでいく。騒動を起こしたのもこの男だが、他国の人間はこの男から目を離すことはできなかった。

その後、騒動を起こした国との戦になったとき、トゥバン・サノオは敵国の軍艦を一人で制圧するという実力を見せる。無傷でありながら、ファンを戦場に立たせるためのやられる演技付で。

その後は森守の前哨戦として、劣化品の土武者というロボットを斬り捨てる。このとき彼は明確に自らの目的を告げ、優秀な武器を欲していることを告げた。ついでに『やっべーなぁ、武器がもたなくてやっべーんだよなぁ。本気だしたら』というミサワのような発言も(誇張表現アリ)。

海に浮かぶ都、海都への道すがら、敵国の船から投げつけられた爆弾から、味方の少女をかばったため、右腕を負傷する。 この時相手の船にもディアブラスという強い男が乗っており、怪我したトゥバンの代わりにファンがぶっ倒したのだが、作中終盤でのトゥバンとの戦闘を見る限り、片腕でも勝利できたようにも思える。ちなみのその怪我は数週間で完治した。指でも吹き飛びそうな箇所に吹き飛びそうな爆発を受けたが、欠損することなくピンピンしている。

その後海都では王族たちの姦計によって投獄されたが、彼の威圧にビビったため剣を取り上げることができなかった。その後当然のように脱獄し、100人ほどの兵に追われるが、ファンの同族という事情を組んで剣ではなく棒を使った手加減して誰一人殺すことなく追い払った。ちなみに獄中生活で配給されたご飯に毒が含まれていたが、僅かな臭いでその罠を看破した。五感も伝説級である。その後は船上で海の一族(海都に住む人々)の兵士と戦うが、こちらもやはり人が斬れないなまくら剣で殺さずに無力化し続ける

3年間海都で独自に修行を続けレベルアップ。再びカザルに助力する事態となり、逃走したカザル軍に追撃を仕掛ける敵国の兵士を足止めする役を担う。二人で。もう一人はイベルグエンという、歴史の陰に暗躍している集団に属していた者であり、その強さは主人公陣営3番目の強さという折り紙つきである。1番は勿論おっさんである。その後はカザル軍と共に城攻めに出ていく。一人で万軍の働きをするトゥバンが相手の段階でご愁傷様としか言葉が出ない。

その後超有能軍師アル・レオニス・ウル・グルラ(合ってたっけ?)の身柄を狙って先述のイベルグエンが出張ってきます。夜中かつ多彩な技でトゥバンを翻弄しようとします。翻弄自体はされてしまいますが、タダでは起きずにイベルグエンを一人切り殺します。ちなみに常人なら死にます。

しばらく間が空き、カザルが大陸制覇まであと一国という所。再びイベルグエンが軍師様の命を取りに来ますが、待ち伏せていたトゥバン・サノオにあっさりと殺られます。彼が弱いわけではなく、オッサンが強すぎるのです。だって最強だもの。

残すところあと2戦。以前ファンがぶっ倒したディアブラスという男が立ちはだかります。彼は森守に通用する剣と策略を用いて。連載史上初めてトゥバン・サノオの本気を引き出すことに成功しました。トゥバンを斬ったと思ったディアブラス。しかしそれは超速度で動いたトゥバンの残像であり、その後本体のトゥバンに腹をバッサリと斬られ死亡しました。トゥバンの本気を引き出した代償に彼は死亡。そんな彼を思ってかトゥバンも『やっべー、久々に本気だしたし。魂がマジシャウトしたわ』という言葉を送りました(誇張表現アリ)。ディアブラスも最高の褒め言葉だとして、トゥバンに剣を贈ってこの世を去りました。

そして遂にやってきた最終決戦。頑丈でめちゃめちゃ斬れる剣を持ったトゥバン・サノオと、超ロボット森守との一戦。トゥバンは右手の小指が折れ、左腕が砕け、右足は銃弾を受けて、擦過傷や打撲などで全身血塗れという、今まで見たこともないほどボロボロになりながらも、同じ箇所を正確に2度斬るという離れ業によって見事勝利を収めました。

このようにして彼は最強のまま作品に君臨し続けたのでした。

 

ブレない周りからの評価と変わりまくる剣

この作品では、様々な物が様々な視点で語られます。主人公からすればカガク(作中ではこう表現する)とは今までの海を汚すものでありましたが、他者から見ればこの上なく素晴らしいものだったり神からの贈り物に等しいようなものだったりします。

主人公自体も人によっては嫌悪されるタイプ(もっぱら小悪党だが)であり、人によって評価が変わる。

ではトゥバンの評価はどうであろうか?

人によっては表現や言葉などは違うが、概ね意味は同じである。

 

すなわち、怪物。

 

流石は大陸一、伝説の兵法者などは優しい方の言葉。直接的に化け物なんて評されたこともある。読者の意見も殆ど同じであろうが。

先にも言ったが、ストーリーにがっつり絡む系の最強なんてものは、途中で交代したり敗北したりするのが常だ。だが彼は一度もその席からどけたことはなく、永遠のチャンピオンと言える程勝利を重ねた男なのだ。

 

そんな彼は、マンガでは珍しく武器がころころ変わっていく。

主な理由は破損であるが。

土武者を斬った時、鉄格子を斬った時、ディアブラスを斬った時。

計三回武器が破損したのだ。こんなに武器を壊した奴は居るまい。マンガなら愛刀破損からの復活という場面は見所になりえるが、彼はそんなことは知らんと言わんばかりに武器を壊し武器を変えていく。ディアブラスに壊された剣は海都の名匠に打ってもらったものだが、壊れた以上未練なく新たな武器に乗り換えるのだ。

これは仕方がないのだろう。彼が本気になった=武器が壊れる方程式が発動するなら、本気の回数=武器を壊した回数に当たる。ならばいちいち壊した武器に心を置いていてはやってられないんだろう。

むしろ日常茶飯事過ぎて、読者の知らぬ間に何十本でも破損させているのだろうか?

ファイヤーエムブレムなら使いにくいキャラになるだろう。必殺の一撃が出れば確実に武器が壊れるのなら、序盤では絶対に使えない。

それでも最強の剣を手に入れるという目的を果たしたのだ。今までの剣を捨てて行っても仕方ないだろう。

 

とにかく最強。主人公ではないからこそ、最強

とまあ最終戦以外苦戦らしい苦戦などせず、最強ロードを邁進した存在がこのトゥバン・サノオだということが分かっていただけただろう。

ここまで最強ロードを進めたのは、一重に彼が主人公ではないということも起因しているのだろう。もし主人公なら『どうせ勝つんでしょ?』という精神が働き、まともに楽しめなくなる可能性がある。だが主人公ではなく、言わば戦闘要員である以上、敗北の可能性が僅かながら孕んでいるのだ。それが戦闘に緊張感を与えるのだろう。敵も順調に強くなって行っている以上、『もしかしたら負けるかもしれない』という気持ちになる。特に最終決戦の森守戦では、その気持ちが顕著でした。負けることはなくとも、相打ちになるかもとは頭の中にあった。

主人公ならこうはならない。負けると話が終わるからだ。

主人公じゃないからこそ、最強キャラは映えるのだ。

 

皆もトゥバン・サノオの活躍をその目でおくれ。

そしたらこう言いたくなるはずだ。

「二度、同じ手は食わん」

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